「愛の発展段階説」
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「愛とは、人からもらうものではなく、相手の幸福を願って与えるものです。与え切りの気持ちで、相手を幸福にしていく行為です。これを『与える愛』と呼びます。」
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「他人から愛をいっぱい受け取りたいと思うのではなくて、自分が他人に愛を与える存在にならないといけないということですね。」
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「そうです。愛を与えるとき、見返りを求めないことが大事です。はなちゃん🐥の言ったように、愛を人からもらうものだと思っていたり、相手を自分の思い通りにしたいと思ってはいけません。これらは、『奪う愛』と言います。」
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「自分がしてほしくないことは人にしない。自分がしてほしいことを人にしてあげるということが大事ですね。」
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「そうですね。それが、黄金律でもあります。自分のために生きようとすれば、他の人は助けてくれません。ところが、他の人のために生きようとすれば、他の人が助けてくれるのです。不思議なことなのですが、これは一つの法則だと言ってよいでしょう。」
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「幸福になるためには、人から愛を奪おうとするのではなく、愛を与えようとすることがポイントですね。」
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「そうですね。与える愛の実践がとても大切です。そして、愛には、次のような発展段階があります。」
✅第一段階 愛する愛
✅第二段階 生かす愛
✅第三段階 許す愛
✅最終段階 存在の愛
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「まず、『愛する愛』は、隣人愛、家族や友人などへの愛、社会に対する愛、共同体に対する愛です。愛が自分に対してではなく他人に対するものであると知ることです。この段階にあるとき、人は少なくとも他人を害して生きていない、善良な市民として生きているといえます。」
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「私たちが1番身近で感じやすい愛ですね。」
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「次に、『生かす愛』は、指導者、導く者としての愛、知性の愛、理性の愛です。これは導く者の愛、指導する立場にある者の愛です。『愛する愛』がどちらかといえば私的な愛に属するならば、『生かす愛』は半ば公的な愛だと言えます。社会の進化のために貢献している人たちが実践している愛です。」
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「生かす愛を実践している人は、優秀な人たちと言えそうですね。」
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「そうです。しかし欠点もあります。優れたる人であるからこそ、時に人を批判し、人の欠点を責める傾向となって現れてしまいます。」
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「優秀だからこそ、他人の欠点がよく目について批判してしまうのです。」
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「そうです。次に、第三段階は『許す愛』です。これは、善悪を超えて自己の使命に徹する者の愛です。」
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「他人を許すって、自分に大きな器がないとできませんね。」
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「そうです。才能を超えた徳力がないといけません。我を知り、人を知り、世界の秘密を知った人は、他人に対して寛容になるざるをえません。欠点が多い人に対してでも、大人が子供の過ちを見るように、許しという力で包んでしまうことができるのです。」
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「愛の理想的な形ですね。」
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「理想的な形に見えますが、許す愛では完全ではないのです。」
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「もっと上の愛があるのですか?」
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「あります。許す愛の人を許さんとする心には、相手の悪を悪と認めた上で許そうとする気持ちがあります。そんな気持ちですと、善なる相手には愛する愛で、悪なる相手には許す愛で臨んでしまい、これでは愛の本質を知らないと言わざるをえません。愛す、生かす、許すという行為は、愛の表現の種類の違いであり、愛そのものではないのです。愛は行為ではなくて、内在であり、実在であり、存在であるのです。」
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「要するに、接する人に合わせて、愛の表現の仕方を変えることは、愛そのものではないということですか?」
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「愛は行為ではないのです。自分が存在している事実そのものが、私たちへの愛となるのです。『あんな素晴らしい人に出会えてよかった。あの人に出会って私の人生は変わった。』と言えるような、私たちの心に灯をともすことができます。それが『存在の愛』です。如来の愛、その人の存在自体が愛、人類史にそそり立つ偉人の愛です。」
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「偉大な人に宿っている愛ですね。」
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「そうです。人々を揺り動かさずにはおかない感化力があるのです。その人がその時代に生きていたこと自体が愛であるような存在です。」
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「存在自体が愛って、すごいですね。」
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「愛そのものが存在しているかのような人たちですね。聖なるものを感じさせる力を帯びています。愛は最後には、ここまで来ます。このように愛は、『愛する愛』から『生かす愛』『許す愛』という行為を通過して、最後には『存在の愛』に到達します。そして、愛の段階は関連しあっていて、誰もがそれぞれの段階の要素を少しずつ持っています。今、どの段階がいちばん輝いているかということが、違いとして現れてくるのです。はなちゃん🐥も、すでにたくさんの愛を与えられて生きています。例えば、これまでの人生で、『むぎさん🐔から与えられたこと」と「はなちゃん🐥がむぎさん🐔に与えたこと」を思い出して比べてみることが大事なのです。」
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「毎日ご飯をつくってくれるとかですか?」
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「それは、与えられたことですね。与えられたこととして、自分を生んでくれた、病気のときに看病してくれた、経済的に支えてくれたがあると思います。」
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「この間、家庭科の授業でお料理を学んだので、むぎちゃん🐔とご飯を一緒に作ってみました。」
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「お手伝いですね。立派な与えたことです。何かプレゼントをあげたりすることも与えたことのひとつです。愛が難しいと感じることもあると思いますが、小さなことに感謝することが大切です。生かされていることを思い出すと、心が温かくなります。
✅朝、目が覚めて、今日も生命が与えられている
✅ごはんをおいしく食べられた
✅出勤できる
✅友人と話ができる
✅お日様が照っている
など、愛は私たちの周りにいっぱいあります。」
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「私たちの生活は、愛に溢れていますね。」
⭐️参考文献
大川隆法総裁著「愛の発展段階説」 より
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