マッチの夢

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「マッチの夢」

 

🐹
「夢を見ない人はいないはず。そして、夢の夢たるところは、夜に見る夢がすべてではない。現実のなかで道を見失うこともあり、そうしたときにも、夢を見ることができる。はなちゃん🐥は、『マッチ売りの少女』をお話を聞いたことがある?」

 

🐥
「あります。雪の日に、ひとりの少女がマッチを売りに行くのですが、マッチが売れず、寒さのなかで凍え死んでしまうお話ですね。」

 

🐹
「そうだな。物語のあらすじは、

 

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大晦日の晩に貧しい少女が雪の降る町のなか、マッチを売り歩いていました。途中、馬車をよけた拍子にクツが脱げ、はだしになって帽子もかぶらず震えながら一日中、歩いてもマッチは売れません。家へ帰ればお父さんにしかられるにきまっています。あまりの寒さでこごえてしまった少女は家のかげにたたずみ、マッチを一本とりだして擦ってみました。「シュッ」と火花が出ました。手をかざすと暖かくストーブの前に座っているような気がしました。でも、すぐに消えてしまいます。 そして、二本目、三本目と擦る度にガチョウの丸焼きや美味しそうなごちそう、クリスマスツリーが見えてきました。次から次へと何本も擦った時に少女を一番可愛がってくれた死んだおばあさんが現れました。そして、おばあさんが消えてしまわないようにマッチを一束ぜんぶ擦ってしまいました。すると、少女はおばあさんに抱きかかえられながら空高く天国へ舞い上がっていきました。そこは、もうお腹を空かせることもなく、寒さに震えることもなく悲しいことは何一つないところでした。大晦日の日に少女はいっぱいのマッチの燃えがらのなかでこごえ死んでしまったのです。新年の朝、こごえ死んだ少女の姿を見た人々は「かわいそうに、あまりに寒かったのでマッチを擦って暖まろうとしたんだね」とお祈りをささげました。しかし、少女の見た素晴らしい幻のことを知っている人は誰もいませんでした。」
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🐹
「夢というものは、この雪の日のマッチ売りの少女の、一本のマッチの光にも似たものである。」

 

🐥
「どういうことですか?」

 

🐹
「寒さのなかに、か弱く、小さくはあっても、確かな光を放つものはある。確かな炎となって、みずからを温めてくれる。そしていつかは消えていく。一つの夢が消えたときに、次の夢が欲しくなり、次のマッチを擦って、また明るい夢を見る。それが一生というものかもしれない。そして、そのマッチをつくっているのが、神様です。」

 

🐥
「夢には、炎のように何れ消えていってしまう儚さもありますね。」

 

🐹
「そうだな。小さな光かもしれない。小さな温かさかもしれない。しかし、そうした小さなものであっても、心に何らかなの光となるものであるならば、これは神様にとってたいへん嬉しいことなのです。神様は、夢のあるマッチをつくって、一人ひとりの心に、明るい光を、熱を、温かみを、人間の血の温かさを、家庭の温かさを届けたいと、深く念じていらっしゃるのです。」

 

 

⭐️参考文献
大川隆法総裁著「愛の原点」
P.199 第8章 愛と光と優しさと より

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