FIREブーム

 

🐻
「ここ最近は、FIREがブームになっています。」

 

🐰
「何それ？缶コーヒーがブームなの？」

 

🐻
「違います。缶コーヒーではなく、FIREっていうのは、4つの単語の頭文字をとった言葉です。

 

 

前半のFIは、経済的自立。金融オタクの世界では、資産所得（いわゆる不労所得）が、生活費を上回った状態のことを経済的自立と呼んでいます。後半のREは、早期リタイア（引退）を意味します。どこを基準に早期だと考えるか、厳密な定義はありませんが、先進国では60歳～65歳で一区切りのところが多いので、それより早く仕事を辞めていれば、早期リタイアに該当すると思います。しかし、最近のFIREムーブメントでは、20代～40代じゃないと早期感がない気もします。簡単にまとめると、FIREは『若いうちに資産作って、とっとと引退して自由に暮らそうぜ』ということです。」

 

🐰
「仕事を辞めて、自由に暮らしたいって人が増えてきているのね。」

 

🐻
「そうです。FIREは、ちょっと前までは、一部のメディアだけで触れられた話題でしたが、最近ではかなり知名度が上がってきています。株高を背景に、FIRE関連の話題は勢いを増すばかりです。日本では、投資家が資産運用をする理由の第2位は、早期リタイアのため、第1位は、老後資金のためです。」

 

🐰
「景気が良いから、働かなくても生きていけるようにしたいって考える人が増えてきたのかもね。」

 

🐻
「それもあります。働かなくても、自分の資産で生きていけるなら、FIREしたい人が増えています。豊かになったので、こういうことを考える人が出てきたと思われます。

✅俺たち、超恵まれてる！生きていくために必要なもの、何でもあるじゃん！
✅贅沢な浪費のために、人生の大切な時間を仕事に捧げるなんて、バカらしい！

こんな考え方をする人が増えています。モノよりも、自分の人生（＝時間）の方が大切な時代が来ています。欲しいモノがいくらでもあって、働けば働くほどモノが手に入って、それ自体に大きな喜びを感じる時代は終わりつつあります。」

 

🐰
「モノよりも自分の自由な時間を大切にしたいってことね。」

 

🐻
「そうです。自分の人生の時間を大切にし、生きがいを感じたい時代になってきました。経済的に自立して、とっとと引退しようとするFIREムーブメント。しかし、ここには、現代の働き方の深刻な問題があると思います。

✅働かずに自由に生きたい
✅仕事を早く辞められるのだったら辞めたい
✅自分の将来への不安が大きい

など、こんな背景があると思います。」

 

🐰
「確かに、いろんなストレスから開放されて、自由になれたら嬉しいわね。」

 

🐻
「ストレスを感じないで、自由に生きたいことはよく分かります。しかし、働かずに自由に生きたい人、仕事を早く辞めたい人が増えていることは問題です。

✅生涯現役で働きたいと思える
✅自分の仕事に誇りを持てる
✅自分の幸せだけでなく、他人の幸せも考られる

など、こんな働き方を目指していく必要があると思います。」

 

🐰
「そうね。仕事があることはありがたいことだけど、仕事するなら楽しく働きたいわ。」

 

🐻
「『自分の仕事が大好き』と言える方が増えていってほしいです。ただ、FIREは悪いことではありません。自分らしい生き方ができる時代であるからこそ、自分らしく生きていくことはとても大切です。FIREを目指すことは良いと思いますが、重要なのは、自由になった時間の使い方です。自由になれば、自由になっただけの責任は自分が背負う必要があります。自由になった時間を、自分が幸せに暮らすためだけでなく、他の人の幸せのためにも使っていくことが大事だと思います。『とにかく経済的自由になりたいんだ！』という考えを否定はしません、むしろ経済的自由になることには大賛成ですが、経済的自由になった後はどうするかを、少しでも考えていくことがやはり大事だと思います。どんな目的を持ってどうやって生きていくのかは、その人の自由です。しかし、自分が何に生きがいを感じ、本当に幸せを感じることは何なのか、最初はボンヤリでも良いので、これをイメージすることが大事だと思います。」

 

🐰
「そうね。自分がしっかり幸せになることも大事だし、その幸せを周りの人の幸せにも繋げていくことも大事だと思うわ。いろんな情報が溢れているけど、どの情報が正しいのかを見極めないといけないわね。」

 

🐻
「本当にそう思います。あっちとこっちで言ってることが違うなんてことはよくあります。自分のポリシーみたいなものを持ち、自分にとって最良の選択をして頂きたいです。いろんな恐怖を乗り越えてこそ、自由はあります。それを乗り越えるからには、心も身体も豊かになる自由を目指して頂きたいと思います。」