「尊己及人」
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「尊己及人とは、”自分を大切に扱えば、それが周りに及ぼす力になる”という意味です。この自分から大切にするという順番は大事です。ここから外れるとうまくいきません。」
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「自分のことって、後回しにしがちですね。」
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「そうですね。自分を大切に扱うとき、大事なのは自分の個性に気付くこと。つまり、自分自身をしっかり知ることです。自分の個性を、できるだけ伸ばして、世のため、人のために働かすことがとても大事なのです。ただ、この自分の個性っていうのは、ある程度は持っているものが決まっています。」
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「どういうことですか?」
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「それは、自分がどのような環境で育ってきたかに少なからず影響を受けています。」
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「お父さんとかお母さんですか?」
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「お父さんとお母さんもですし、お父さんとお母さんにも、そのまたお父さんとお母さんがいて、そして祖先の人たちがいて、先祖代々、いろんな影響を受けて、今の自分がいます。世代を超えた長い間に、そこで受け継がれてきたものなどによって、向いているものと向いてないものっていうのは、ある程度、決まっているのです。例えば、お父さんもお母さんもバイオリニストで、世界ツア一をやっている人だったらやっぱり音感のいい子どもになるわけです。また、両親ともオリンピックのメダリストだったら、やっぱり他の人よりも早く逆上がりができたり、自転車に乗れるようになったり、50m泳げるようになったりするっていうのはあると思います。」
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「自分には向いてないことをやるのは、あまり良くないですか?」
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「そんなことはないです。努力する事によって、粘り強くなるとか、心が鍛えられたりとか、思考が鍛えられたりすることはあるわけです。しかし、向いていないことに取り組んで、それで大きく花開きブレイクすることは、とても難しいと思います。」
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「自分の中にある個性に、ちゃんと向き合うことが大事ですね。自分の個性に気付いて、自分自身を知ることで、自分のやりたいこととかが見つけられそうです。」
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「自分の個性に抗って、なかなか上手くいかず、『あ〜、自分ってダメな人間なのかなぁ』みたいに思ってしまうことはあるかもしれません。」
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「やりたいけど、向いてないことってあると思います。頑張ってるけど、上手くいかなくて、『自分には、才能がないのかな?』って、落ち込んだこともあります。」
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「誰しも、そういう経験はあると思います。そんなとき他人と比較して、あの子は自分より才能があるからとか、あの子は自分より育った環境が恵まれているからとか、いろいろと自分なりに納得できる理由を並べて、落ち込みすぎないようにするわけです。そんな他人との比較や劣等感から解放されたとき、自分は何がしたいのかと自分自身に問いかけなければなりません。自分の個性を無視したやりたいこと、こればかりにこだわってしまうと、『自分はダメ人間なのかな?』と思ったり、嫉妬したりして、上手くいきません。大事なのは、自分を卑下するのではなく、自分の個性に気付いて、それを伸ばしていく努力をすることです。」
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「自分と向き合って、自分の個性を探すことは、自分自身を大切にすることにもなると思います。ゆくゆくは周りの人のためにも、自分の個性を生かしていける方法が見つけられると良いですね。」
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「そうですね。自分の個性にもうすでに出会っているという感覚であれば、もう徹底的にそこを伸ばしていきましょう。そしてまだ上手くいってないのであれば、今取り組んでるものが自分の個性じゃないという可能性もあるので、色々やってみるのもいいと思います。」
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「今思い込んでるものではないところに、自分の個性が伸びるポイントがあることも考えられるのですね。」
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「十分にあります。自分の個性と向き合って、自分が本当にやりたいことを探し続けることが大事です。探し続けた先に、自分の使命のようなものを感じることもあるかもしれません。周りからの良い話、あまり良くない話といろいろ聞くこともあると思います。それは、ひとつの意見として受け入れ、自分の個性を信じ、他の人も幸せにできる道を選び抜いていくことが大事なのです。」
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