秋の声

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「秋の声」

 

🐥
「みみちゃん🐰、網戸に蝉がいます。」

 

🐰
「本当ね。それにしても、静かね。」

 

🐹
「そうだな。生きてる?」

 

🐥
「私が確認してみます。……!、動かないです。お庭に埋めてきます。」

 

🐰
「はなちゃん🐥、優しいわね。」

 

🐔
「『泣かぬセミ 吾子はスコップ 初紅葉』」

 

🐹
「いいですね。ちょっとずつ涼しくなってきて、秋のはじまりも感じます。」

 

🐰
「そうね。”あこ”?って、何ですか?」

 

🐔
「吾子(あこ)は、我が子って意味よ。」

 

🐰
「そうなんですね。埋めてあげるなんて、私は思いつきもしなかったわ。」

 

🐹
「そういう純粋さって、ちょっとずつ薄れていくな。」

 

🐔
「そうね。はな🐥は、自分がこうしたいって思ったら、素直にそれに従っている感じね。大切なものをいろいろと教えてもらえるわ。」

 

🐰
「素晴らしいですね。私は、自分がこうしたいって思っても、周りからどう見られるかなとか、自分だけそんな行動をするのもなんか恥ずかしいなとか、いろいろと考えてしまいます。」

 

🐹
「とてもよく分かる。」

 

🐥
「♪あれ松虫が歌ってる〜

 

🐰
「鳴いているじゃなかった?

 

🐥
「♪あれみみちゃんが鳴いている〜

 

🐹
「それは、騒いでいるだな。」

 

🐰
「直すところ、違うでしょ。」

 

🐔
「はな🐥!みみちゃんに失礼でしょ。」

 

🐥
「ごめんなさい。」

 

🐔
「たまに騒いでいるときはあるけど。」

 

🐰
「それは、フォローして下さっていますか?」

 

🐔
「少しくらい、騒ぐくらいの元気があったほうがいいと思うわよ。」

 

🐰
「ありがとうございます。」

 

🐔
「♪虫の声♪って、日本の歌百選に選ばれるほど、老若男女から親しまれている歌のひとつよね。」

 

🐹
「夜の虫の声が聞こえてくると、秋の深まりを感じます。」

 

🐔
「そうね。歌にあるマツムシ以外にも、コオロギやキリギリス、スズムシなどがこの季節に鳴くわね。」

 

🐥
「その音って、オスが求愛のために羽を擦り合わせて鳴らしているんですよね。」

 

🐰
「はなちゃん🐥、よく知ってるわね。羽を擦り合わせて鳴らしてる音なんだ。」

 

🐔
「その様を、虫時雨とか、虫集く(むしすだく)などの季語にも表わされているわね。」

 

🐰
「なんか風情がありますね。」

 

🐹
「面白いことに、西洋人は、その虫の音を聞きとれないか雑音として認識するそう。」

 

🐔
「そうね。脳科学から見ると、虫の声を西洋人は右脳で処理するのに対して、日本人は言葉を司る左脳で処理するみたいね。」

 

🐰
「そうなんですね。♪虫の声♪は、♪あれまつむしが ないている チンチロチンチロ チンチロリン〜というフレーズではじまりますけど、虫の鳴き声を言語化するって、日本人独特の表現の美しさなのね。」

 

🐔
「そうね。この音に耳を傾ける文化は、私たちをより豊かに、より独創的にしてくれていると思うわ。」

 

🐹
「そうですね。虫の声だけではなくて、波や風、雨の音、川のせせらぎなど、私たちの身の周りには、美しい自然音がたくさんありますね。」

 

🐰
「そうね。普段は聞き流してしまう音だけど、時には、生きとし生けるものの声に耳を傾けることが大切ね。」

 

🐥
「そう考えると、いろんな音がありそうですね。」

 

🐹
「そうだな。」

 

🐥
「みみちゃん🐰の騒いでいる声にも、もっと耳を傾けたほうがいいですか。」

 

🐹
「気を付けます。」

 

🐔
「はな🐥!」

 

🐥
「気を付けます。」

 

🐰
「大丈夫よ。いつもしっかり、耳を傾けて頂いているわ。はなちゃん🐥、いつも元気いっぱいね!」

 

🐔
「ごめんなさい。変に独創的なところがあるのよ。」

 

🐰
「(笑)」

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