天才？から天才！へ

 

🐥
「今日、学校の授業でピカソが描いた絵を見たんですけど、なんかよく分からなかったです。」

 

 

🐔
「パッと見てよく分からないわよね。もっとよく分からない画家もいるわよ。」

 

🐥
「誰ですか？」

 

🐔
「サルバドール・ダリよ。代表的な作品には、カマンベールチーズが溶けていく状態を見てインスピレーションを得た絵とかもあるわ。ダリの絵の中には、ダリの絵はダリにも理解できないものもあるそうよ。」

 

 

🐥
「ダリの絵は”ダレ”にも理解できないですね。」

 

🐔
「親父ギャグじゃないわよ。ダリがそう表現しているわ。もう本当に天才の中の天才画家。それがダリ。彼は奇行も多かったと言われているの。」

 

🐥
「ダリって、変人なんですか？」

 

🐔
「そうよ。例えば、凱旋門の下を象に乗って歩いたり。ある時は、講演会の依頼があって潜水服（海の中に潜る服）を着て、槍みたいなものを持って、犬を２匹連れて登壇して講演を始めたらしいわ。潜水服のヘルメットを被っていたので、モゴモゴして何を言ってるかわからないし、お客様も、ダリは何がしたいのかな？と感じていたはずよ。そのうち、ダリに異変が起きて、ウゥ…ゴフッ…と苦しみ始めたの。潜水服のヘルメットを被って喋っていたので、息が出来なくなって、死にかけたらしいわよ。だいぶ頭おかしいでしょ？」

 

🐥
「ただの変人ですね。」

 

🐔
「ダリの写真をインターネットで検索すると出てくるけど、だいたい髭がビヨーンと上に飛び出て、目をグワっと開けている。もう完全に変顔ね。髭なんて水飴で固めていたらしいわよ。」

 

🐥
「水飴風ワックスですか…？」

 

🐔
「水飴よ。なんで人前に出た時にそんな姿だったのか。実は、親しい人は知っていたらしいけど、ダリは人前に出ていない時は、すごく真面目で内気な人だったそうよ。でも、自分は天才画家になるって決めて、天才のふりをし続けたそうね。」

 

🐥
「潜水服来たり、変顔したりして、天才を演じたんですね。」

 

🐔
「天才だったら普通にマイクを持って講演会はやらないとか、天才だったら凱旋門も普通の格好で歩いたりしないとか、そんなふうに自分なりの天才のイメージを自分で作って、それを演じ切るという生き方をされたわ。」

 

🐥
「そして、本物の天才画家ダリになったんですね。」

 

🐔
「そうね。ダリの有名な言葉で、死んだ後もお弟子さん達の中で語り継がれている言葉がある。

『天才は天才を演じ切ればなれる』

天才として振る舞うだけで、才能が自分の中から開花されるということを証明したの。ダリは周りから画家としての才能を見出された人だったそうよ。」

 

🐥
「ダリにも、最初のうちは、いや自分はそんな天才じゃないって、思ったときがあるかもしれないですね。でも周りの人が認めてくれるようになってきたら、天才的な絵を描くために、まずは自分自身を騙そうと思い、天才を演じ切れば、本当になれると信じていたのかもしれません。」

 

🐔
「そうかもね。思考は具現化する。つまり、自分が想像した通りになる。天才を演じ切ることで、本当に天才になっていけることを、ダリは教えてくれているわ。」

 

🐥
「逆に、そんなに上手くいくわけがないと信じていると、上手くいかなくなっていくんですか？」

 

🐔
「そう・思ったら・そうなっていくわね。自分は何者にでもなれる！と思い行動を起こすことが大事。そんなの全員が成功するわけじゃないし、たまたま上手くいったから、そう言っているんでしょって、そんな風に思う人もいるかもしれないけど、まず自分は何者にでもなれると思うこと。そして、それを具現化できるように行動していくことが大事よ。」

 

🐥
「でも、むぎちゃん🐔。私は、こんな風になりたいって思うことはありますけど、今の私はまだ何者でもないし、ちょっと不安になってしまいます。」

 

🐔
「そうね。思考が一人歩きしているようで、不安になる気持ちは分かるわ。でも、こんな自分になりたいって、そう思うのであれば、一度自分を騙してみるといいわよ。自分は天才なんだ！天才だったら今どう考え、どう振る舞うだろう？と、考えて行動しないことには、何も始まらないわ。」

 

🐥
「そうですね。何もしなければ、何も始まらないですね。」

 

🐔
「別に、他人にわざわざ、私は天才ですって言葉で言わなくてもいいわ。自分にその言葉を言い聞かせて、続けてみたら、もしかすると眠っていたはな🐥の天才性が表に出てきて、もっとパワフルで自由な振る舞いになっていくと思うわ。」

 

🐥
「みんな、天才性を秘めていると思います。」

 

🐔
「そうね。それを発掘できるように行動しないといけないわね。」

 

🐥
「まずは、水飴を使ってトサカを作ってみます。」

 

🐔
「……、いいと思うわ。」